[前:2. チュートリアル] [index] [次:4.1 メニュー]

3. 機能説明

3.1 メール作成

3.1.1 アドレス帳

QMAIL2は独自のアドレス帳機能があります。また、WindowsCE機ではPocket Outlookの連絡先からメールアドレスがあるアイテムだけを抽出して表示させることもできます。さらにPocket Outlookの分類を含めたカテゴリによる絞り込みもサポートしています。デフォルトのインターフェースをシンプルにしたタイプ(以前のQMAIL風)もあります(参照 4.3.1)。ただ、QMAIL2にはアドレス帳編集機能はありませんので適当なテキストエディタで編集する必要があります。

3.1.2 シグニチャ

QMAIL2はシグニチャ(署名)を自動挿入することができます。また、手動になりますが複数署名を選択して挿入することもできます。

※複数の署名を自動的に選択付加させたい場合はマクロを使う必要があります(参照 マクロマニュアル)

ただ、QMAIL2には署名編集機能がありませんので、アドレス帳同様、テキストエディタで編集します(参照 5.2.2)。

3.1.3 テンプレート

QMAIL2はメールをテンプレートを使って作成します。

新規メール : new.template
返信メール : reply.template
全員に返信 : reply_all.template
転送メール : forward.template
再編集 : edit.template

以上がデフォルトで使われるテンプレートです。このテンプレートを加工したり、新たなテンプレートを作って利用することで、より便利な環境を作り上げることができます。テンプレートの格納場所はデータフォルダかアカウントフォルダですが、上記、5つのテンプレートをメールフォルダとアカウントフォルダの両方に入れた場合、QMAIL2はアカウントフォルダの方を使います。また、振り分けフォルダ(参照 3.3.23.3.3)に固有のテンプレートを設定することもできます。テンプレートの作り方、その他詳細については「5.3.3.1 メール作成用」を参照してください。

QMAIL2からテンプレートであることを認識させるにはファイルの拡張子に.templateをつけます。任意のテンプレートを選択するには[Mail]-[Select Template...](Cキー)、もしくはツールバーのSelectTemplateを押します。下図の[Select Template]ダイアログでテンプレートの一覧が表示されます。
[Select Template]ダイアログ(メール作成テンプレートの選択)

3.1.4 ファイルの添付

QMAIL2は他のメーラと同様、添付ファイルを扱えます。

3.1.5 内部エディタ

内部エディタ(エディットウィンドウ)はメールエディタとして下記の機能があります。Windowsのメモ帳などで使えるような基本機能はもちろんサポートしていますが、自動整形や引用行を折り返し表示させないなどのより高度な機能が必要な場合は外部エディタをご利用下さい(参照 3.1.6)。

そのほかのメニューの項目については「4.1.3 エディットウィンドウ」を参照下さい。

3.1.6 外部エディタ

QMAIL2は任意の外部エディタが使えます。クリップボードを利用してエディタとやり取りを行います。なお、WindowsCE機で以前のQMAILに付属していたQEDITを使う場合はクリップボードを経由せず利用できます。


3.2 送受信

3.2.1 巡回

QMAIL2はマルチアカウントの一括巡回をサポートしています。また、モバイルで使うことを前提として複数の巡回コースの切り替えができ、コースも送信のみ受信のみなどの細かい設定が可能です。
マルチアカウント環境が構築できればデフォルトで[Tool]-[Connect]-[Go Round]([キー)を選択、もしくはツールバーGoroundを押すと、すべてのアカウントを巡回します。サブアカウントを利用されている場合は、現在選択されているもので巡回しますが、サブアカウントを利用したマルチアカウント環境では巡回コースの設定をしないとひとつのアカウントしか巡回しません。
巡回中、中止したい場合は[Tool]-[Cancel](Escキー)を選択するか、ツールバーのCancelを押してください。

巡回を設定するファイルは.goroundです。設定方法はそのファイルを任意のエディタで開き、# でコメントアウトされた行に説明がありますので参照ください。また、本マニュアルの「5.1.1 巡回設定(.goround)」も参照下さい。

巡回コースが複数設定されている場合、コースは[Tool]-[Connect]-[Select Course...](]キー)で出現する、下図[Select Course]ダイアログで選択します。
[Select Course]ダイアログ

また、ショートカットファイルやランチャーから巡回コースを操作、選択できるようにコマンドラインオプションもあります(参照 3.6.1)。

3.2.2 定期的な新着メールチェック

QMAIL2は定期的に新着メールをチェックできます。

3.2.3 POP3

2.2.2 POP3で受信してみよう」で一通り受信できたと思いますが、ここではもう少し高度な受信機能について説明します。

ここで説明する機能は、おもに[Account Property]ダイアログの設定により実現します。
[Account Property]ダイアログ-[POP3]タブ

[Account Property]ダイアログを開くには、[Tool]-[Account...]で開く[Account]ダイアログで[Property...]ボタンを押すか、リストビューでYキーを押します。

3.2.3.1 部分受信

QMAIL2では、メールのヘッダ部のみを受信したり、ヘッダ部と本文の一部を受信するような設定ができます。この機能を部分受信と呼びます。

[Account Property]ダイアログ[POP3]タブを選択してください。
デフォルトでは、[Max line]の値が-1となっていますが、これは全文を受信するという設定です。
ここで指定する値を0にすると、本文が0行、つまりヘッダだけを受信する設定になり、1以上の整数を指定すると、指定した行数までの本文を受信する設定になります。
また、Inboxを選択した状態で[File]-[Folder]-[Property...](Alt+Enter)を選ぶと[Folder Property]ダイアログが開きます。
[Sync]タブを選ぶと、[Sync smaller than [ ]KB]という項目があり、デフォルト値は-1でやはり全文を受信する設定になっていますが、この値に正の整数を指定すると、その値(KB)を超えるメールの本文は受信しません。

3.2.3.2 選択受信

QMAIL2には、モバイル環境などで便利なようにメールの選択受信の機能があります。「3.2.3.1 部分受信」とこの機能とを合わせて使うと、外出先などで大量のメールを受信することなく必要なメールだけを選択して受信でき、通信コストの節約などの効果が期待できます。

まず、準備として「3.2.3.1 部分受信」を参照し、[Account Property]ダイアログ[POP3]タブで、[Max line]に0を設定します。これで受信時にサーバから新着メールのヘッダ部分だけを受信するようになります。

実際の操作は以下の通りです。

  1. メールの受信を行う。ヘッダだけを受信するのでリストビュー画面では、部分的にダウンロードされたことを示すマークが付いています。
  2. タイトルなどをチェックして、ダウンロードしたいメールを選択し、[Edit]-[Mark]-[Mark Download](Oキー)で本文のダウンロードを予約します。[Message Property]ダイアログで[Download]をチェックする方法もあります。 リストビュー画面ではダウンロード予約されたことを示すマークが付加されます。
  3. もう一度、受信を行います。
  4. 予約したメールの本文がダウンロードされます。リストビュー画面ではダウンロードされたメールのみ未読マークに変わります。

3.2.3.3 受信手順の最適化

QMAIL2がPOP3サーバから受信するとき、内部ではいろいろなコマンドが発行され、POP3サーバとのデータのやり取りが行われています。
たとえば、サーバにあるメールの数や大きさを知るためにLISTコマンドを発行したり、メールの固有情報を取得して受信済みか新着かを判断するためにUIDLコマンドを発行したりしています。

このふたつのコマンドを効率良く発行し、処理時間を短くするための値が、[Account Property]ダイアログ[POP3]タブにある[Get all]という項目です。
この項目は、サーバ上のメール総数を未読数で割った値がこの数字より小さければUIDL/LISTコマンドを一括発行するという意味で、デフォルトでは20が指定されています。最大値は-1で、この場合は、常に一括に発行されます。
デフォルト値は、サーバに100通から数100通残す環境でのテスト結果により設定されていますが、サーバに残すメール数が多い場合は大きめに、少ない場合は小さめに設定するとよいようですが、ほとんどの場合デフォルトで支障はないと思われます。

サーバのメールを削除する設定の場合は、この項目の設定値は無関係になります。

3.2.4 IMAP4

2.2.3 IMAP4で受信してみよう」で一通り受信(同期)できたと思いますが、ここではもう少し詳しく説明します。

IMAP4アカウントのデフォルトでは、OutboxとSentboxの各メールフォルダはローカル側に存在します。対して、Inboxと他のメールフォルダはサーバ側のメールフォルダと同期することによりリモート操作を実現しています。

3.2.4.1 同期対象の選択(詳細)

2.2.3.3 同期のしかた」に述べたとおり、[Folder Property]ダイアログの設定により、フォルダ毎に同期のしかたを次のように設定することができます。
[Folder Property]ダイアログ-[Sync]タブ

  1. ヘッダのみを同期する(本文を同期しない)
  2. 本文を同期する
    1. Sync unseen only
      チェック有りの場合、同期時に新着メールのうち未読分のみキャッシュに保存する
    2. Sync text only
      チェック有りの場合、テキストのみを同期してキャッシュに保存する
    3. Sync smaller than [ ]KB
      同期時に指定サイズ以下のメールのみキャッシュに保存する

さらに細かい設定として、オフラインモードでは本文を同期するけれどもオンラインモードではヘッダのみを同期するという設定が可能です。

その設定をするには、本文を同期する設定をした上で、[Account Property]ダイアログを開いて[IMAP4]タブの[Sync only headers on online mode]をチェックします。
[Account Property]ダイアログ-[IMAP4]タブ

3.2.4.2 キャッシュ操作

同期時にローカルに取り込んだキャッシュは、OutboxやSentboxなどのローカルフォルダ内のメールと同様、アカウントフォルダ内にあるmsg.boxファイル(参照 5.5.1)に保存されます。
2.2.3.3 同期のしかた」や「3.2.4.1 同期対象の選択(詳細)」の設定により、ローカルにキャッシュするかどうかを、フォルダ別や、接続環境別に細かく設定することができますが、キャッシュしていないメールの本文をダウンロードしてローカルキャッシュに保存したり、反対にキャッシュされたメールのキャッシュを削除することもできます。

3.2.4.3 サーバに起因する文字化けへの対処

IMAP4サーバに Exchangeサーバを使用している場合、ヘッダ項目に文字化けが発生したり、マルチパートメッセージがうまく受信できないなどの不具合が発生する場合があります。
これら不具合への対処として、次の設定を試してみるとよいでしょう。

3.2.5 ユーザ認証で使用できる認証方式

サーバのユーザ認証の際、QMAIL2が使用できる認証方式は下記の通りです。

サーバ認証方式
POP3平文(USER/PASS), APOP
IMAP4平文(LOGIN), CRAM-MD5
SMTP平文, CRAM-MD5

POP3とIMAP4ではいずれも、デフォルトで認証に平文を使用します。SMTPでは、デフォルトでは認証をしません。
デフォルト以外の認証方式を使うためには、[Account Property]ダイアログを開き、下記の要領で設定します。


3.3 メールの管理

3.3.1 インポート・エクスポート

QMAIL2のインポート・エクスポートはUNIX mailbox形式をサポートしています。

3.3.2 フォルダ

QMAIL2は多階層フォルダをサポートしています。

フォルダビューでアカウントツリーの最上位部分を選択し、[File]-[Folder]-[Create...]またはコンテキストメニュー[Create...]と進みます。
[Create Folder]ダイアログ
上図の[Create Folder]ダイアログで、[Type]の[Folder]にチェックが入っていることを確認して、適当な名前をつけてください。フォルダが作られます。多階層化する場合は親フォルダを選択した後、同様に[Create...]を選択、下図の[Name]ダイアログでテキストボックスに適当な名前をつけてください。
[Name]ダイアログ
フォルダ名変更はフォルダ選択後、[File]-[Folder]-[Property...](Alt+Enter)またはコンテキストメニュー[Property...]として、下図の[Folder]タブでName部分を書き換えます。
[Folder Property]ダイアログ-[Folder]タブ
フォルダ削除はフォルダ選択後、[File]-[Folder]-[Delete]またはコンテキストメニュー[Delete]です。

※なお、デフォルトではInbox(IMAP4アカウント除く),Outbox,Sentbox,Trashのシステムフォルダの下位にフォルダを作ることはできません。もし、システムフォルダの下位にフォルダを作りたい場合は「5.4.3 フォルダ設定(.folders)」を参照下さい(動作を保証するものではありません、自己責任でお願いします)。

3.3.3 メールの移動・コピー

メールをフォルダに移動したい場合、メールをリストビュー選択した状態もしくはメッセージビューから[Mail]-[Move]またはコンテキストメニュー[Move]を選択し、移動先フォルダを指定します。リストビューから移動先フォルダへドラッグアンドドロップすることでも可能です。移動でなくコピーをしたい場合や他のアカウントへの振り分けの場合は[Others...]を選び、下図[Select Folder]ダイアログで、移動先フォルダを指定、コピーの場合は[Copy]にチェックを入れて[OK]ボタンを押します。Ctrlキーを押しながらドラッグアンドドロップしてもコピーになります。
[Select Folder]ダイアログ(移動先フォルダの選択)

3.3.4 振り分け

受信したメールをフォルダに振り分けるにはアカウントフォルダにある.rulesというファイルを任意のエディタで編集します。そのファイルの中で#でコメントアウトした行に条件式の入力方法を記してありますので参照下さい。また「5.1.2 振り分け設定(.rules)」及びマクロマニュアルも参照下さい。
フォルダ固有の振り分けルールも設定することができます(参照 5.1.2)。

3.3.5 検索・検索フォルダ

3.3.6 メッセージフラグ

QMAIL2では、メールに対していくつかのフラグを設定します。一部のフラグはユー ザが変更できるものですが、一部はできません。また、一部のフラグはメール本体 から取得した情報をキャッシュしているのに対して、メール本体からは取得できな いフラグもあります。

以下にフラグの一覧を示します。

※他に、POPISHが使用するためのフラグがありますが、QMAIL2からは操作できませ ん(参照 3.7.2

変更可能のフラグは、上に示した変更方法のほかに、[Mail]-[Property...]で開く [Message Property]ダイアログで、個別に設定することができます。

※リストビューで複数のメールを選択して、フラグを変更すると、選択したすべて のメールのフラグが変更されます。

3.3.7 添付ファイルの展開、削除

メールに添付されたファイルは、下図のようにヘッダビューのAttach: に表示されたアイコン付きファイルをダブルクリックや選択してEnterキー、またはコンテキストメニュー[Open]を選択すると関連付けされたアプリケーションが起動して閲覧することができます。
Header-Attach

添付ファイルを適当なフォルダ等に保存する場合は、リストビューでメールを選択し、リストビュー、プレビューもしくはメッセージビューにフォーカスがある状態で[Mail]-[Attachment]-[Detach...](Xキー)またはヘッダビューの[Attach:]のコンテキストメニュー[Detach...](複数のファイルが存在し、すべて保存する場合は[Detach All...])を選択すると、[Detach]ダイアログが開きます。
[Detach]ダイアログ

ファイル名の前のチェックボックスにチェックが入っていることを確認し、[Browse...]ボタンを押して保存先のフォルダを指定後、[OK]ボタンを押します。

添付ファイルを削除することもできます。リストビューでメールを選択し、リストビュー、プレビューもしくはメッセージビューにフォーカスがある状態で[Mail]-[Attachment]-[Delete]してください。

3.3.8 ダイジェストメールの展開

QMAIL2では、ダイジェストメールを展開することができます。ダイジェストメールとは、メーリングリストなどでまとめ送りの設定をしている場合などに送られてくるメールで、ひとつのメールの中に、複数のメールがまとめて入っているメールのことです。

対応しているダイジェストメールの形式は、RFC1153形式とmultipartでダイジェストになっているものです。

ダイジェストメールを展開すると、中に含まれているメールがそれぞれ一通のメールとして扱われるようになります。展開されたメールは元のメールと同じフォルダに置かれます。

ダイジェストメールを展開するには、リストビューで展開したいメールを選択してから、[Mail]-[Attachment]-[ExpandDigest]を選択します。また、メッセージビューやプレビューで[Mail]-[Attachment]-[Expand Digest]を選択すると、現在表示しているメールを展開します。

3.3.9 圧縮

QMAIL2ではメールを削除してもデータファイルには、削除済というマークが付けられるだけで、ファイルは基本的に小さくなりません。これらの領域は、自動的に再利用されますので、基本的には何もしなくても大丈夫ですが、明示的にデータを圧縮することもできます。

※メッセージボックスが大きい場合、圧縮するのにかなりの時間がかかることがあります。CE機で圧縮する場合、圧縮中にサスペンドするとメッセージボックスが壊れる場合があります(特に、CFなどにメッセージボックスを置いている場合)。
圧縮する際にはAC電源を接続するなどして圧縮中にサスペンドしないように注意してください。


3.4 サーバ側メールの管理

3.4.1 POP3

QMAIL2では、「3.2.3.2 選択受信」と似た原理を用いてサーバに保存されているメールを1通単位で指定して削除するなど、サーバ側のメールの管理をすることができます。

3.4.1.1 選択削除

サーバにメールを残す設定で運用していても、いつかはサーバのメールを削除しなければサーバのエリアがいっぱいになってしまいます。その際、全部を削除するのではなく、不要なメールを指定して削除することができます。この機能を選択削除と呼びます。全文受信したメールも、部分受信したメールも、同じ方法で選択削除することができます。

選択削除の具体的な操作は以下のとおりです。

  1. 受信済みメール(全文受信、部分受信いずれも可)で、サーバ上に残されているメールから削除したいものを選択し、ダウンロード予約を設定後、削除(Trashに移動)します。あるいは、削除(Trashに移動)後にダウンロード予約しても構いません。
    Trashのリストビュー画面で、ダウンロード予約されたことを示すマークの付加されたメールが選択削除の対象です。
  2. 次回の受信時に、サーバ上のメールを削除する処理が実行されます。
  3. 選択削除されたメールを選択して[Message Property]ダイアログを開いてみると、[Not On Server]フラグが設定されているはずです。
  4. ローカル側でも不要であればそのままにしておきます。サーバ側は削除してもローカル側に保存しておきたい場合は、振り分け処理などを利用して適当なフォルダに移動しておきます。

3.4.2 IMAP4

QMAIL2では、ローカルにあるフォルダやメールを管理するのとよく似た操作で、IMAP4サーバ側のメールフォルダやメールを管理することができます。

3.4.2.1 フォルダの追加・削除

関連するメールをそれぞれのフォルダにまとめておくと便利ですが、QMAIL2は、IMAP4サーバ上に新しいフォルダを追加することができます。また、分類方法を変更するときなどは、不要になったフォルダを削除することができます。
フォルダの追加や削除は、オンラインモード(参照 3.5.1)で行ってください。

※他のメーラや他のマシンでIMAP4サーバのフォルダを追加したり削除した場合は、「2.2.3.2 フォルダアップデート」と同じ要領で、[File]-[Folder]-[Update]を実行してください。サーバ側の変更後のフォルダ構成がフォルダビューに反映されます。

3.4.2.2 メールの移動・削除

作成したフォルダを使ってメールを分類するために、メールをフォルダ間で移動したり、コピーしたり、削除することができます。
メールの削除は、メールに削除フラグを立てる処理と削除フラグの立ったメールを実際に削除する処理のふたつのステップを踏んで完了します。
なお、IMAPには移動というコマンドはないので、メッセージの移動は、QMAIL2内部でコピーと削除を組み合わせて実行されます。
メールの移動(コピー)や削除はオンライン・オフライン(参照 3.5.1)のいずれのモードでも指定できますが、すぐに処理が実行されるのはオンラインモードのときです。オフラインモードで指定した処理はアカウントフォルダ内の.offlinejobファイル(参照 5.5.4)にいったん保存され、次回同期時に実際に実行されます。


3.5 操作環境

3.5.1 オフライン・オンライン

オフライン・オンラインの切り替えは[File]-[Offline](Ctrl+O)で行います。[Offline]にチェックが入っている状態がオフライン、入っていない状態がオンラインです。また、フォルダビューでアカウント名が太字で表示されている場合はオンラインです。そしてそれぞれの状態において、フォルダビューのアカウントが開かれた状態をオフラインモード・オンラインモードと呼びます。

送受信(同期)や[File]-[Send Now](エディットウィンドウ)、[View]-[Refresh](メインウィンドウ)は、いずれのモードでも動作しますが、定期的な新着メールチェックやIMAPアカウントでキャッシュしていないメールの参照、IMAPアカウントでフォルダを選択したときの再表示、IMAPアカウントでDownload指定したときの即時ダウンロードなどは、オンラインモードのときには処理しますが、オフラインモードでは処理しません。

※送受信(同期)では、オフライン・オンラインにかかわらず、またLAN接続されているかどうかにかかわらず、ダイアルアップするかどうかを判定します。ダイアルアップする設定で、ダイアルアップされていない場合、ダイアルアップ接続をします。

以上のような特性により、ダイアルアップ環境での運用の場合は基本的にオフラインを、常時LAN接続環境で、定期的な新着メールチェックをする場合やIMAP4の場合は、オンラインを選択することをお勧めしますが、実際の運用形態は利用するかたにより千差万別でしょうから、利用するかたがご自分の環境に合わせて選択して下さい。

3.5.2 色の指定

QMAIL2は、デフォルトでは各ビューともシステムカラーが使用されますが、オプションの設定により、エディットビュー、メッセージビュー、プレビューの背景色と文字色を自由に設定することが可能です。

また、ヘッダ部および引用行や注釈行の色分けや、リストビューの未読メール色分けについても細かい設定が可能です。
色を指定する際にリストに表れる色は、デフォルトでは、Black, Maroon, Green, Olive, Navy, Purple, Teal, Gray, Silver, Red, Lime, Yellow, Blue, Fuchsia, Aqua, White の16色ですが、設定ファイルを直接編集することにより、増やすことができます。

オプションの設定は、[Tool]-[Options...]で開く[Options]ダイアログで行います。
[Options]ダイアログ-[Message]タブ

次に述べる設定ではさらに、[Message],[Preview],[Edit]各タブ共通に存在する[Colors...]ボタンを押し、[Colors]ダイアログを開いて行う設定もあります。
[Colors]ダイアログ

以下の設定は、設定ファイルを直接編集することにより可能になります。

3.5.3 各ビューの表示/非表示

QMAIL2は、フォルダビュー、リストビュー、プレビュー、メッセージビュー、エディットビュー、ヘッダビュー(メインウィンドウ、メッセージウィンドウ)といったビューを持っていますが、このうちのプレビューとヘッダビューを、表示したり非表示にしたりすることができます。
これは、ハーフVGAのHPCからWindows2000/NT/9x/MEのデスクトップまでという幅広い環境での動作を実現しているQMAIL2を、それぞれの環境に合わせて運用するために有効な機能です。
同じ目的で、エディットウィンドウのヘッダ部入力枠を本文入力時に一部非表示にする機能も持っています。

3.5.4 コントロールの表示/非表示

QMAIL2は、デフォルトでWindowsアプリケーションとして標準的なユーザーインターフェイスを持っていますが、いくつかのコントロールを非表示にして、画面を有効に活用する機能をもっています。
これは、ハーフVGAのHPCからWindows2000/NT/9x/MEのデスクトップまでという幅広い環境での動作を実現しているQMAIL2を、それぞれの環境に合わせて運用するために有効な機能です。
メインウィンドウ-プレビュー非表示

3.5.5 ソート順の指定

QMAIL2はメインウィンドウのリストビューにメールのリストを表示します。表示される項目は、日付(Date)、発信者または送信先(From / To)、表題(Subject)です。
リストビューのリストは、リストビューの項目を選択して、昇順または降順にソートする機能を持っています。また、関連メールを階層表示するスレッド表示機能も持っています。
また、QMAIL2内部で管理されているメールのID順にソートすることもできます。
検索フォルダのリスト表示についても、スレッド表示がサポートされないこと以外は基本的に同じです。


3.6 他のアプリケーションとの連携

ここでは、QMAIL2から他のアプリケーションを起動したり、また、他のアプリケーションからQMAIL2を起動/制御する方法を述べます。

3.6.1 コマンドライン

QMAIL2は豊富なコマンドラインオプションスイッチ(起動オプション)を持っています。サポートするコマンドラインオプションは次の通りです。これらのオプションは一部を除き、QMAIL2が起動中であっても有効です。

-b クリップボードからメールを作成します。[Mail]-[Create from Clipboard]と同じ動作。
-bd クリップボードからドラフトメールを作成します。[Mail]-[Draft from Clipboard]と同じ動作。
-c 起動後に送受信動作を行います。
-d フォルダパス メールフォルダを指定して起動します(レジストリの値は無視されます)。これにより複数のメールフォルダを使い分けることができます。
-g コース名 起動時に指定されたコースで巡回を実施します。
-m ウィンドウハンドル -g 起動で巡回後、指定されたウィンドウに WM_USER + 1062をポストする(RAScal用 参照 3.6.4)。
-p 適当な文字列 プロファイル(参照 3.7.1)を指定して起動します。レジストリの設定よりも優先されます。このオプションを使った初めての起動後にはメールフォルダにxxx.qmail(xxxはコマンドラインで指定した文字列)が作られます。
-q Hide状態で起動します。
-s 起動パス mailto URL の指定(参照 3.6.3
-x -g 起動で巡回終了後にQMAIL2を終了する(-g がないと無効)

※パスを記述する場合は \ をエスケープすることを忘れないでください。

例.パスが"\Storage Card\qmail\wce211j\hpc\sh3"の場合は、"\\Storage Card\\qmail\\wce211j\\hpc\\sh3"

3.6.2 クリッカブルURLの設定

QMAIL2はプレビュー/メッセージビュー/エディットビューで他の多くのメーラと同様、クリッカブルURLをサポートしています。URL表記されている文字列をダブルクリック(ダブルタップ)するか、キャレット(カーソル)を表示させ、URL行(どこでも可)にキャレット移動してCtrl+Spaceを押すかコンテキストメニュー[Open URL]を選択してください(エディットビュー除く)。
この際、もしURLの範囲を間違えるような場合には、URLだけを選択してからCtrl+Spaceを押すかコンテキストメニュー[Open URL]するとそのURLを開きます。

また、個々のビューでダブルクリック(ダブルタップ)によるクリッカブルURLは無効/有効にすることができます。

  1. QMAIL2を終了します。
  2. メールフォルダにある.qmailを任意のエディタで開きます。
  3. クリッカブルURLを無効にする場合は、下記それぞれの値を 0 にします(参照 5.4.1)。
       Edit_ClickableURL:
       Message_ClickableURL:
       Preview_ClickableURL:
  4. エディタを「保存して終了」します。

3.6.3 mailto:プロトコルへの関連づけ

OSのmailto:プロトコルにQMAIL2を関連づけることができます。関連づけると「ファイル名を指定して実行」で「mailto:メールアドレス」を実行等するとQMAIL2が起動、To: にそのメールアドレスを入れて、エディットビューやエディタが開きます。

※ただし、この設定にはレジストリ操作が必要です。レジストリが何かおわかりにならない方や自信のない方はこの操作はおやめ下さい。当然のことながら、レジストリを編集することは危険を伴います。バックアップを取った上で十分注意して行ってください。

以下のようにレジストリ編集します。または、以下をテキストファイルとして保存し、レジストリエディタで読み込んで下さい。ただし、インストールパスは環境に従って書き換えて下さい。

3.6.4 RAScalでのダイアルアップ監視

RAScalとは、ぱお〜ん氏作のWindowsCE用ダイアルアップ料金計算ソフトです。

 http://pao-n.okiraku-pc.net/ で公開されています。

QMAIL2はこのソフトと連携できます。RAScal側で設定が正しくなされると、RAScalでダイアルアップ−QMAIL2起動−巡回−ダイアルアップ切断という動きが自動化され、RAScalで通信料金が計算されます。


3.7 他のマシンとの連携

QMAIL2は複数台のマシン(例.WindowsCE機とWindowsME)でデータを共有/同期させて使うことを前提に作られています。ここではその具体的な連携方法を述べます。

3.7.1 プロファイル機能を使ってメールを共有

QMAIl2はデータ形式、アカウント情報ファイルがWindowsCE機とWindows9x/ME/NT/2000機で同じです。したがって、ActiveSyncのファイル同期機能でデスクトップ機とWindowsCE機でデータを同期することやコンパクトフラッシュなどのリムーバブルメディアを差し替えて複数台のマシンでデータを共有することなどもできます。ただ、そのままでは環境設定ファイルである.qmail(参照 5.4.1)を共有してしまうことになりますので、ウィンドウサイズや外部エディタ指定などで問題があります。そこで、プロファイル機能をQMAIL2はサポートしており、.qmailを切り替えて使うことができます。

まず、QMAIL2使用するマシンそれぞれでプロファイル名を決めます。たとえば、自宅のパソコンをhome、WindowsCE機をpdaとして説明します。

3.7.2 POPISH(plugin)を使ってメールを同期

QMAIL2は、プラグインをサポートしています。(参照 5.3.4
POPISHは、QMAIL2にPOPサーバ機能を持たせることのできるプラグインです。

http://www.bea.hi-ho.ne.jp/kish/wince/popish.htmlからダウンロードすることができます。

インストールや必要な設定については、POPISHのドキュメントを参照してください。

ここでは、QMAIL2とPOPISHを組み合わせて、複数のマシン間でメールを同期する活用例をいくつか紹介します。
なお、ここで紹介する活用例では、POPISH Ver 0.9.7 を使用した場合を想定して説明します。

■ A,B 2台間で不定期に同期する(受信時にPOPサーバのメールを削除,または残す)

■ 1台でPOPサーバを管理して他のマシンからInboxを同期する(受信時にPOPサーバのメールを残す)

■ 3台ですべての組み合わせで同期する(受信時にPOPサーバのメールを削除)

[前:2. チュートリアル] [index][次:4.1 メニュー]